第1章 灼熱サンシャイン!【カリム・アルアジーム/切甘】
『カリム様…/////』
「俺じゃ…ダメか?」
いつになく自信なさげににお伺いを立てるカリム、は勢いよく首を横に振る。
『そう言うわけではありません。ただ、私は元奴隷で…貴方のお屋敷の使用人です。カリム様の周りには私なんかよりもっと素敵なお嬢様もたくさん居るはずです…それなのに、私なんかで本当によろし』
カリムはが最後まで言い終わる前にの体を引き寄せて唇を奪う。
『っ…!』
カリムの腕がの背中と後頭部に回り、逃さないと言わんばかりに抱きしめる力が強まる。
『…っはぁ…んっ…////』
どちらからでもなく舌が潜り込み、絡み合う。
『っは…あ…っはぁん///』
離れた唇から銀色の糸が2人を繋ぐ
「身分なんか関係ない。熱砂の国に伝わる昔話じゃ、法律変えて王女とスラムの青年が結婚したくらいだしな!
それに俺には、じゃなきゃダメなんだ。美味い飯一緒に腹いっぱい食いたいのも、こうやって絨毯に乗って散歩に行きたいのも…ずっとそばにいてほしいのもだけだ。」
『…っ、カリム様っ!私もです!!カリム様が好きです。…大好きです。ずっと貴方のおそばにいたいです!』
はカリムの胸に顔を押し付けて嬉し涙を流す。
「…お前は本当泣き虫だな。」
『ひっく…うぅ…嬉しいんです。私の大好きなカリム様が私を好きだと言ってくれるのが嬉しいんです!』
がここまで泣き虫になったのは今までずっと、安心して泣くこともできない環境にいたせいだ。
カリムはそれを理解しているからの頭を優しく撫でる
泣き終わって顔を上げたはカリムと見つめ合いまた唇を重ねた。
「明日から俺たちもホリデーだ。一緒に帰ろう、俺たちの家に」
『はい!』
灼熱の太陽が照りつけるとてもとても暑い日に出会った大富豪の息子と奴隷の娘。
奴隷の娘を救ったのは大富豪の息子の太陽のような明るい笑顔
大富豪の息子を救ったのは奴隷の娘の月のような健気な心
これは、夜空に浮かぶ満月だけが知る物語。
END