第33章 蝶の舞

まともに喰らった童磨は顔色が悪くなり苦しみ出すが、すぐに飄々とした態度に戻る。


童「ぐ……、は……、はははっ、さっきまでとはまた違う毒だね。でもどうせ分解できちゃうんだし、怪我もしてるんだから休んでなよー。」


童磨は技を放ったあとすぐに距離をとっていたしのぶに笑いながら話しかけるが、しのぶは静かに睨み付けて言葉を発さない。


童「あれ、君も無視するのかい？？悲しいなぁ。」


『あら、悲しくなんてないんでしょう？？さっきカナヲちゃんが言ってたみたいに、ね。』


ー 桜の呼吸 陸ノ型 花嵐 ー


杏は一度しまっていた日輪刀を抜き、竜巻を巻き起こす技を放つ。


童「おっとっと、危ないよ杏ちゃん。」


そう言いながら杏の攻撃をひらりと躱した童磨にカナヲが日輪刀を抜き、体を捻りながら技を繰り出す。


ー 花の呼吸 陸ノ型 渦桃 ー


童「すごく鍛えられた体幹だね！！バネみたい。」


カナヲの刀が頸にあたる寸前に童磨はカナヲに向かって扇を振るう。


ー 血鬼術 凍て曇 ー


刀が空を斬ったカナヲにﾌﾞﾜｯ、と冷気が襲いかかる。


カナヲは慌てて左手で口を覆い、後方に跳んで避ける。