第33章 蝶の舞
カナヲの鋭い視線と静かな声の言葉に童磨はキョトンとした表情を浮かべる。
童「??えっ、ホント??肉質の感じからして血縁ぽくないけど…。」
そこまで言った童磨はニヤーッと気持ち悪く笑いながら先を続ける。
童「若い女の子はだいたい美味しいからいいよ何でも!!」
カ「私のこともしのぶ姉さんのことも貴方になんか喰べさせない。早く死んで。」
冷たい声でそう言い放ったカナヲはそのまま童磨に向かって走り出す。
ー 桜の呼吸 伍ノ型 徒の芍薬 ー
桃色の斬撃が連続で童磨に襲い掛かる。
しかし、その連撃を童磨は涼しい顔で躱す。
童「7…8…9連撃!!いいねぇ。綺麗だねぇ。じゃあ俺も!!」
ー 血鬼術 枯園垂り ー
鋭い氷の斬撃が至近距離にいたカナヲに飛んでくる。
ー 花の呼吸 弐ノ型 御影梅 ー
しかし、カナヲはその場で自分を中心とした紅色の斬撃を繰り出し、童磨の氷を相殺する。
その姿を見た童磨はカナヲの能力を分析する。
童(なるほど、目だな。この娘は目が特殊なんだねぇ。今の連撃、全て限り限りで受け流して凌いだ。俺の肩・視線・つま先・肘・膝。注意深く見てる。僅かな傾きで次の動作を予測。小賢しいうえに並の剣士ができることじゃないよ。)