第33章 蝶の舞
カ「先刻の言葉、1つの訂正しようかな。貴方って頭良くないみたい。」
今度はにっこりと可愛らしい笑みを浮かべるカナヲ。
しかし、その可愛らしい笑顔からは想像できないほど鋭い言葉が童磨に襲いかかる。
カ「みっともないからさっさと死んだ方がいいよ。貴方が生きてることには何の意味もないから。」
──ヒュッ
カナヲがそう言った瞬間、目の前にいたはずの童磨は後ろからカナヲの頸へと扇を振り落とそうとしていた。
それをカナヲは寸前でなんとか避ける。
そして、日輪刀を握り締めると振り向きざまに童磨の腹部を切り裂く。
童磨もすかさず血鬼術で攻撃するが、カナヲはふわりと跳んで童磨から距離をとり、日輪刀を鞘に戻す。
カナヲが斬った童磨の腹からは腸がこぼれ落ち、口から血が流れる。
その血をペロリ、と舐めとる。
童(反応速度を上げてきた。俺の動きに戦いに適応し始めている。)
カナヲの方に観察するような視線をやる。
童(扇から舞い散らす"粉凍り”を吸わない。杏ちゃんたちから教えられていたとしても限り限りの戦闘をしていて吸い込まないのは至難の技。)