第33章 蝶の舞
カ「この世に生まれてきた人たちが当たり前のように感じている喜び、悲しみや怒かり、体が震えるような感動を貴方は理解出来ないんでしょ??」
ここまでは真顔だったカナヲは徐々に口角を上げていく。
カ「でも貴方は頭が良かったから嘘を吐いて取り繕った。自分の心に感覚がないってばれないよう楽しいふり悲しいふり。貴方には嬉しいことも楽しいことも苦しいこともつらいことも本当は空っぽで何も無いのに。滑稽だね。馬鹿みたい。ふふっ。」
楽しそうに笑ったカナヲはこれまでしのぶも杏も、誰も見たことのないような笑みを浮かべた。
カ「貴方何の為に生まれてきたの?」
その言葉に童磨の纏う雰囲気が完全に変わった。
童「…今まで、随分な数の女の子とお喋りしてきたけど君みたいな意地の悪い子初めてだよ。何でそんな酷い事を言うのかな??」
童磨はバチン、と手にしていた扇をとじる。
そして鋭い殺気をカナヲへと向ける。
童磨の鋭い殺気はカナヲの肌にビリビリビリと突き刺さる。
しかし、カナヲは蔑むような冷たい瞳を向けたまま口を開く。
カ「わからないの??貴方の事嫌いだから。一刻も早く頸を斬り落として地獄へ送りたいから。」