第33章 蝶の舞
ー 花の呼吸 弐ノ型 御影梅 ー
ー 蟲の呼吸 蝶ノ舞 戯れ ー
そのとき、杏の背後から飛び出してきたしのぶとカナヲが技を繰り出す。
童「わ、びっくりしたぁ。」
童磨の口先だけの驚き方に再びイラつきながら杏も技を繰り出す。
ー 桜の呼吸 壱ノ型 桜吹雪 ー
童「おっとっと…。わぁ、実際にはないとはいっても花と桜と蝶が舞う光景は綺麗だねぇ。」
しのぶとカナヲの位置が少し離れていたため、杏は手負いのしのぶの近くに着地する。
『…そうですか。』
飄々とした童磨の態度にイライラを募らせる杏。
童「というか、毒はすぐに分解できるんだからしのぶちゃんは何もしなくてもいいのに。」
すぐさま毒を分解してみせる童磨のその言葉にしのぶは鋭い視線だけを返す。
杏(やっぱり3人じゃ厳しいわね…。全ての技が強力かつ広範囲に及ぶ。なんとかしてこいつを弱らせないと近づけもしない。)
そう考え込んでいたとき、その場に鴉の声が響き渡った。
それとほぼ同時に、童磨も何か感じたのか唖然としたような表情を浮かべる。
鴉「炭治郎!!義勇!!上弦ノ参撃破!!疲労困憊ニヨリ意識保テズ失神!!」