第32章 最愛
── 狛「ただいま、親父。戻ったよ。」
手を振ってくれる父親の姿。
── 狛「師範。恋雪さん。」
優しい笑顔で迎えてくれる師範と最愛の人。
── 「ただいま。」
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──ハラハラ
炭「消えた…。」
身体が崩れて消えていく猗窩座に心の底から安心する炭治郎。
炭「終わっ…た…。」
はー、と安堵のため息が漏れる。
しかし、まだ戦いは終わっていない。
それどころか始まったばかりだ。
炭「はやく…次は、無惨の…ところに…」
しかし、因縁の相手との死闘を繰り広げたばかりの炭治郎は意識を保てず、ゴン、と大きな音を立てながら前方に倒れた。
冨「炭治郎…。」
倒れたまま動かない炭治郎に冨岡は声をかけるが、すぐに身体がふらつく。
──ドスッ
しかし、すぐに日輪刀を床に差し、身体を固定する。
冨「…。」
そのまま意識を失った。
鴉「炭治郎!!義勇!!上弦ノ参撃破!!疲労困憊ニヨリ意識保テズ失神!!」
すぐに戦闘の結果を知らせる無限城を飛び回る鴉たち。