第32章 最愛
炭(気絶してた!!戦闘中に…!!)
そして、ざわざわざわと動いている猗窩座の頭部を見つける。
炭(頭が!!頭が再生しかけている!!
ぐあああ!!頸を斬ったのに!!)
猗窩座は左目が再生したところで、冨岡にとどめを刺そうと技を構える。
ー 破壊殺 滅式…
しかし、目を覚ましていた炭治郎が嵌まっていた壁からものすごい勢いで抜け出す。
炭「やめろーーーーーっ!!」
猗(コイツ…!!まだ動くのか!!)
炭治郎のしぶとさに驚く猗窩座に炭治郎は刀を振るうため近づいていく。
炭(何度でも頸を斬る!!勝つんだ。
義勇さんと2人で!!猗窩座に!!)
心の中で叫びながら刀を振ろうとしたその瞬間──…
──スポン
炭治郎の手から日輪刀がスポンと抜けてしまった。
炭(刀が!!すっぽ抜けた!!)
しかし、それでも止まることのできない炭治郎はそのまま猗窩座へ突っ込んでいく。
炭(握力が…手に力が入らなくなってた!!
かあああ!!)
そして、ギュウウと握りしめた右の拳を振りかぶり、思い切り猗窩座の左頬を殴った。
──バキィィ
── 慶「生まれ変われ。少年。」
殴られた猗窩座は自身を殴った炭治郎の姿にかつての師範──…慶蔵の姿を重ねていた。