第32章 最愛
愈「炭治郎たちの他に上弦と遭遇してるのは胡蝶しのぶとその継子と女の柱だ。」
祈「蟲柱さま…ということは上弦ノ弐ですね。継子ということはカナヲちゃん、柱の方の髪色は??」
愈史郎のあいかわらずの端的な説明に、詳しく聞き直す。
愈「黒髪だ。」
音「…杏さまね。どうかご無事で…。」
愈史郎の話す特徴から上弦ノ弐と対峙しているのが杏だとわかり、小さく祈る。
愈「心配だろうが、今は他に向かうべきところがある。上弦ノ肆の居場所がわかった。」
祈「上弦ノ肆…??」
珠「実は…」
ひたすら言葉の足りない説明しかしない愈史郎に珠世が付け加える。
珠「上弦ノ肆と戦う上で愈史郎が最も相性がいいのです。産屋敷家の方とも相談し、愈史郎が相手をすることになっております。」
祈「なるほど。では急ぎましょう。
案内をお願いします。」
珠世の説明に祈里は小さく頷き、愈史郎に先導を促す。
愈「あぁ。」
音「皆さん、出発しますよ。できる限り逸れてしまわないように周囲に気をつけてください。」
「「「はい!!」」」
愈史郎が先導し、走り出す隊士たち。
珠世は速く走れないため最後尾から必死に着いてくる。