第32章 最愛
愈史郎が無限城内を飛び回る鴉の視界を見ているとき、上弦ノ陸との戦闘で重傷を負った善逸の治療は完了しており、珠世や祈里、音羽、隊士たちは集中している愈史郎を待っていた。
村「あいつは何をしてるんだ??」
祈「わかりませんがとても集中しているようですし待ちましょう。」
怪訝そうな視線を向ける隊士たちに祈里は待つよう指示を出す。
音「どなたか我妻さんを抱えていただけますか??愈史郎さんが戻ったらすぐに出発したいのですが…」
村「あ、じゃあ俺が背負います。
顔見知りですし。」
音「ではお願いします。」
村田が善逸をゆっくりと起こし、背負っていると愈史郎が戻ってくる。
祈「何かわかりました??」
愈「炭治郎が上弦ノ参と遭遇した。
そのまま戦闘が始まった。」
端的にしか説明しない愈史郎の言葉に祈里と音羽は目を見開く。
音「竈門さんが??1人でですか??」
愈「いや、柱の男と一緒だ。
左右柄の違う羽織を着ていた。」
音「水柱さまですね。よかった…。」
炭治郎が1人で上弦ノ参と対峙していないことがわかり、ほっと胸を撫で下ろす。
祈「他の人の様子はわかりますか??」