第31章 それぞれの闘い
村「絶対大丈夫!!絶対助かる!!
お前は死なねぇぞ!!」
隊「がんばれ我妻!!」
隊「がんばれがんばれ!!」
そんな隊士たちの応援など聞こえていないのか、祈里と音羽に注意されたはずの愈史郎はなおも言葉を続ける。
愈「お前の戦ってた上弦はまだ自分の術や能力を使い熟せてなかった。運のいいことだ。戦いが1年後だったら即死だったろうな。」
村「気が滅入ることばっか言ってんじゃねー!!」
村田、4度目の怒りの叫び。
祈「ですから、村田さん。あまり大声は…」
愈「大声出すから鬼が来たぞ。いい的だな。」
「ウワーッ!!」
音「はぁ…。だから言ったのに…。」
しかし、その大声に釣られて鬼がゾロゾロとやってきてしまった。
祈里と音羽は思わずため息をこぼす。
愈史郎──……
無惨以外が鬼を増やせない中、珠世の力で鬼となった唯一の個体。
素知らぬ顔で隊服を着用し、紛れ込んでいる。
隊員の救護及び援護を珠世から言いつけられており、無事に合流できた珠世と共に動いている。
村田含め、行動を共にしていた隊員たちは妙な気配だなぁと考えつつも、祈里と音羽が一緒にいることもあってまさか鬼とは思っていなかった。
前述の通り珠世が鬼にした唯一の者故に。