第5章 花屋敷
すごい勢いで撫でられはじめ流石に抗議する杏。
しかし、不死川は杏の頭を撫でる手をとめない。
不「よしよし、頑張ったなァ。」
『〜っ!!子供扱いしないでください!!』
不「まだ16だろが。16はまだまだ子供だ。」
『もうすぐ17です!!』
不「おいおい、この間16になったばかりだろうがァ。」
必死になりすぎておかしなことを言いはじめた杏を見て笑う不死川。
不死川が笑ったのを見たことがある者はほとんどいない。
同じように、杏がむくれるところを見たことがある者はほとんどいない。
笑う不死川とむくれる杏。
かなり珍しい光景を見ているのは隣で胡桃を食べいた不死川の鴉だけだった。
しばらくして落ち着き、2人で雑談しながらおはぎを食べていると、
──ガラッ
「ごめんくださーい。」
扉が開く音と誰かの声がした、
不「ア??」
『あら、誰かしら。』
途端に不死川は少し不機嫌になり、他に来客の予定がなかった杏も頭を傾げる。
『少し見てきますね。』
サッと立ち上がり襖に手をかける。
不「…俺も行く。」
杏はそう言う不死川にキョトンとしつつも不死川と共に玄関へ向かう。