第31章 それぞれの闘い
愈「くそっ、放せ!!」
愈史郎は暴れるが、音羽は更に力を込めて押さえつける。
そして、珠世の頸元に日輪刀を当てる祈里に視線を送る。
その視線を受け、祈里は珠世を睨みつけながらゆっくりと口を開いた。
祈「…その言葉に偽りはないでしょうね??貴方に頼んだというのは私たちの師です。もし、私たちを信じさせるためにその方を利用したのであれば…即刻、この頸は斬り落とします。」
その強い視線に珠世はごくり、と唾を飲み込みながら日輪刀のきっ先を見る。
珠「愈史郎、落ち着きなさい。大丈夫です。」
そして、顔を上げると祈里を見つめながら話し始めた。
珠「…祈里さんと音羽さん、ですか??」
祈.音「「!?」」
珠世の口から名乗ってもいない自分たちの名前が出てきたことに目を見開く。
祈「…私が祈里で、彼女が音羽です。」
珠「良かった。実は彼女に言われていたのです。」
そう言った珠世は杏との会話を話し始めた。
珠「『戦いが始まったら"祈里”と"音羽”という鬼殺隊士を探してください。私の言いつけを守っているでしょうから2人でいると思います。2人とも桜の髪飾りをつけてます。』と。」