第31章 それぞれの闘い
敗戦したという事実が受け入れられない獪岳。
獪(……耐えられない耐えられない!!そんな事実は受け入れられない!!あんな奴に俺が??俺が負けるのか??頭が変になりそうだ!!…いや、違う。)
しかし、自分の上から落下してくる意識のない善逸を見て、僅かな笑みが溢れる。
獪(負けじゃない。あのカスも落下して死ぬ。もう体力は残ってないはず。アイツも俺と死ぬんだ。)
愈「人に与えない者はいずれ人から何も貰えなくなる。」
獪「!?」
そう考えていたとき突然愈史郎が現れ、一緒に落下しながら話しかけた。
愈「欲しがるばかりの奴は結局何も持ってないのと同じ。自分では何も生み出せないから。」
獪岳は突然現れた愈史郎の言葉を目を見開きながら聞く。
愈「独りで死ぬのは惨めだな。」
愈史郎は最後にそう吐き捨て、意識のない善逸を担いで上へと上がっていった。
何かを叫ぶ獪岳を尻目に善逸を担いだ愈史郎は上へと辿り着く。
そのとき、善逸は夢を見ていた。
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夢の中の善逸の川を挟んだ目の前に死んだはずの師匠である桑島慈悟朗がいた。
善「爺ちゃん!!」