第28章 対峙
童(低い!!)
その身体の小ささを活かしたしのぶの低い低い体勢に対応できなかった童磨にしのぶは下から頸に日輪刀を突き刺す。
その突きの勢いは天井に童磨を串刺しにする程だった。
童磨に決死の突きを喰らわせたしのぶは、昔のことを思い返していた。
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し(幸せの道はずっとずっと遠くまで続いているって思い込んでいた。)
大好きなお父さんとお母さんと姉と過ごした幼少期。
し(破壊されて初めてその幸福が薄い硝子の上に乗っていたものだと気づく。)
突然家を鬼に襲われて、あっという間にお父さんとお母さんが死んだ。
し(そして自分達が救われたように、まだ壊されていない誰かの幸福を強くなって守りたいと思った。)
残された姉と死を覚悟して小さく丸まっていたときに、助けに来てくれた大きくて頼もしい背中。
し(そう約束した。)
── カ「鬼を倒そう。1体でも多く。2人で。
私達と同じ思いを他の人にはさせない。」
大好きな姉と小指を絡めて交わした約束。
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