第28章 対峙
童「鎖骨も肺も肋も斬ってるのに。君の体の大きさ…。その出血量だと死んでてもおかしくないんだけど…。」
し「ゴフッ、」
─ゴロゴロ
声を出そうとしたしのぶは血を吐き出し、肺からゴロゴロと音が鳴る。
童「あっ、ほら~!!肺に血が入ってゴロゴロ音がしてる。想像を絶する痛みだろう。俺がすぐに首をストンと落としてあげるから無理しないで!!君はもう助からないよ。意地を張らずに。」
童磨が何か話しているがしのぶは集中力を高める。
し(狙うならやはり急所の頸。頸に毒を叩き込めば勝機はある。)
ー 蟲の呼吸 蜈蚣ノ舞 百足蛇腹 ー
力強い踏み込みで童磨へと近づく。
童(四方八方にうねる動き。橋を割る程の踏み込み!!こんなに動けるなんて…思ったより深く斬れていなかったのか…??)
そのしのぶの動きに目を見開く童磨。
童(速い!!攻撃が読めない…!!)
─ヒュンヒュン
その速さに近づいてきたところを狙おうと童磨は懐近くまできたしのぶに2対の鉄扇を振る。
凍りついたしのぶの羽織の破片が宙に舞う。
しかし、鉄扇が斬ったのはしのぶの羽織の右部分のみだった。