第28章 対峙
し(距離をとる…。こちらの攻撃が通りづらくはなるけれど呼吸が使えなくなっては元も子もない。)
そう判断し、手をついた際に普段よりも力を入れて少し遠くに跳ぶ。
トッ、と着地し、前を見据えると本来着地する予定だったところが凍っているのが目に入る。
し(凄まじい範囲攻撃…。そしてやっぱり冷たい。
避けたと思ったけど完全じゃなかったのね。)
冷静に判断し、とるべき間合いを考える。
童「うーん、速いねぇ。速いねぇ。」
しのぶの突き技、回避の速さを称賛する童磨。
しのぶにより貫かれた傷もすぐに治りはじめている。
童「だけど不憫だなぁ。突き技じゃあ鬼は殺せない。頸だよ。やっぱり頸を斬らなきゃ。」
突き技はすぐに治せる、頸を斬らなくては殺せない、と眉を下げ不憫そうな表情を浮かべている。
しかし、しのぶは動揺することなく、キリキリ バチンッと特殊な音を鳴らしながら日輪刀を鞘に収める。
し「突きでは殺せませんが毒ならどうです??」
─ドクン
童「ぐっ、」
しのぶのその言葉と共に毒の効果が現れ、童磨は苦しみ始める。
しのぶはその様子をじっ、と観察する。