第28章 対峙
童磨に斬られていたことに、助けたしのぶだけでなく、斬られた本人すらすぐには気づかなかったのだ。
童「あ、大丈夫!!そこにそのまま置いといて。
後でちゃんと喰べるから。よいしょ。」
初めて対峙する上弦の鬼の力量にしのぶが驚いているのに気づいていないのか呑気に声をかけ続ける童磨。
" カ「その鬼の使う武器は…」 ”
しのぶはゆっくり振り返ると、童磨の手にはたった今、女性の命を奪ったであろう、二対の鉄の扇があった。
" カ「………鋭い対の扇。」 ”
カナエから聞いた全ての特徴に当てはまる目の前の鬼。
童磨はジャッと閉じていた左手に持っている扇を開きながら話し出す。
童「俺は"万世極楽教”の教祖なんだ。信者の皆と幸せになるのが俺の務め。その子も残さず綺麗に喰べるよ。」
しのぶの中で、"姉カナエを殺した鬼は上弦ノ弐”という憶測が確信に変わった。
し(こいつが…姉さんを殺した鬼…。)
それと同時に童磨の口から出る意味のわからない言葉に口を開く。
し「……皆の幸せ??惚けたことを。
この人は嫌がって助けを求めていた。」
童「だから救ってあげただろ??」