第28章 対峙
カ「あなたは頑張っているけれど本当に頑張っているけれど、多分しのぶは…、……。」
何かを言いかけてやめてしまう。
カ「普通の女の子の幸せを手に入れてお婆さんになるまで生きて欲しいのよ。もう…十分だから…。」
その言葉にしのぶは涙を零しながら叫ぶ。
し「嫌だ!!絶対辞めない!!姉さんの仇は必ずとる!!言って!!どんな鬼なのどいつにやられたの……!!」
しのぶの訴えにもカナエはなかなか口を開かない。
し「カナエ姉さん言ってよ!!お願い!!こんなことされて私普通になんて生きていけない!!姉さん!!」
カ「……。」
しのぶの訴えにカナエは瞳を閉じながらもゆっくりと口を開いた。
" カ「頭から血をかぶったような鬼だった。」 ”
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上弦ノ弐はしのぶの方に身体を向け、被っていた帽子を取りながら笑顔で話し始めた。
童「やあやあ初めまして。俺の名前は童磨。
いい夜だねぇ。」
" カ「にこにこと屈託なく笑う。穏やかに優しく喋る。」 ”
カナエに聞いた上弦ノ弐の特徴と目の前の鬼の特徴を重ね合わせる。