第28章 対峙
──同時刻、伊黒と甘露寺も大量の鬼に囲まれていた。
ー 蛇の呼吸 伍ノ型 蜿蜿長蛇 ー
伊黒が日輪刀を抜き、全ての鬼を斬り捨てる。
伊「甘露寺に近づくな、塵共。」
甘(キャーーーーーッ!!伊黒さん素敵!!)
その姿に甘露寺はキュンキュンと胸を高鳴らせる。
伊「怪我は??」
甘「ないです!!」
伊「行くぞ。」
甘「はいっ!!」
伊黒の甘露寺を気遣う優しい言葉に甘露寺はキャーッとトキメいていた。
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─ボロ
襲いかかってくる鬼たちを斬りながら走って進む悲鳴嶼と時透。
時「凄い量の鬼ですね。」
悲「下弦程度の力を"持たされて”いるようだな。
これで私たちを消耗させるつもりなのだ…。」
時「……お館様は??」
この話の中で、時透は気になっていたが聞けなかったことを悲鳴嶼に尋ねる。
悲「音白の話ではご無事だ。
怪我を負っていらっしゃるが…。」
時透の方は振り返らず、悲鳴嶼はそう告げる。
時「あの方が鬼に見つかるような失敗をするとは思えない。……自ら囮に??」