第27章 無限城戦 開戦
杏の手元の鞄を見て煉獄は首を傾げる。
煉「それはなんだ??」
煉獄からの問いかけに杏はニコッ、と微笑んで答える。
『私たちが生き残るための"奥の手”です。』
よくわかっていない表情を浮かべる煉獄を横目に杏はお館様のもとへ行く。
『…行ってまいります。』
そう呟き、お館様に頂いた自分の桜の花びらが描かれた白の羽織をお2人にかけた。
"奥の手”の鞄を腰に付け、立ち上がる。
宇「産屋敷家の方々のことは派手に任せろ。」
煉「そちらは頼むぞ。」
『はい!!』
嘗て肩を並べて闘ってきた2人からの言葉に杏は微笑んで頷き、戦場へと駆け出した。
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悲「本当に良かった。しかし…ここからだ。」
『はい。参りましょう。』
互いに言葉を掛け合う中で悲鳴嶼は前の記憶がよみがえっていた。
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産屋敷 耀哉
病の進行によって足腰が立たなくなり、床から動けなくなるまで亡くなった鬼殺隊員の墓参りを1日も欠かした事がなかった。
初めて会った時、お館様は14、私は18。
その立ち振舞いは己より4つも歳が下だと思えなかった。
お「君が人を守るために戦ったのだと私は知っているよ…。君は人殺しではない。」