第26章 人の想い
鬼「あの日お前が摘んだという"青い彼岸花”はお前の体内にあるのだ!!そして!!お前を吸収すれば私は"青い彼岸花”を手にすることができるのだ!!」
『…私の身体の中に…??どういうことです??』
身の覚えのないことに杏が問いかけると、鬼舞辻無惨は興奮気味に答える。
鬼「あの日お前が言っていたではないか。
"摘んでいた花がパッ、と消えた”と。」
『それがなんです??』
いまいち的を得ない鬼舞辻無惨の回答に杏はすぐに再び問いかけた。
鬼「そのときだよ。そのときお前の身体の中に"青い彼岸花”が入ったんだ。」
『どういうことだかさっぱりわかりませんね。
貴方はそれを見たのですか??』
鬼「見なくともわかる。」
その鬼舞辻無惨の言葉に元々殺気を放っていた杏だったが、一際強い殺気を放った。
『……つまり貴方は、そんな不確かなことで私を狙っていた、ということですか??』
鬼「不確かなことではない。」
『不確かでしょう。誰もそんなこと見てもいないのに。妄言もここまでくると迷惑でしかないわ。』
自分のことを疑いもしない鬼舞辻無惨をギロリ、と睨みつける。
しかし、ある想いが全身を駆け巡り、杏は小さく俯いた。