第26章 人の想い
お「私を殺した所で鬼殺隊は痛くも痒くもない。
私自身はそれほど重要じゃないんだ。
この…人の想いと繋がりが君には理解出来ないだろう無惨…なぜなら君は…君達は
君が死ねば全ての鬼が滅ぶんだろう?」
最後のその言葉に、鬼舞辻無惨の表情が変わった。
それは目が見えないお館様にも伝わった。
お「空気が揺らいだね…当たりかな??」
鬼「黙れ。」
その言葉と同時に、凄まじい殺気がお館様に伝わる。
お「うん、もういいよ。
ずっと君に言いたかったことは言えた。」
そんなお館様の言葉に鬼舞辻無惨はお館様の傍へ近づく。
──ピリッ
そのとき、鬼舞辻無惨はある1つの気配に気がついた。
産屋敷耀哉と会話をしていたときはまるで感じなかったというのに、今では痛いほどにその殺気を感じる。
その殺気の気配を辿るために鬼舞辻無惨は殺気を感じる方に顔を向ける。
その視線の先は、横たわる産屋敷耀哉と妻であるあまねがいるその奥。
隣の部屋へと向いていた。
お「気づいた…ようだね…。」
鬼舞辻無惨の様子を感じ取ったお館様はふっ、と笑いを零す。
お「入って、おいで…。」
その言葉と共にガラッ、と開く襖。