第26章 人の想い
そんな鬼舞辻無惨にお館様は静かに口を開いた。
お「君の夢は叶わないよ。無惨。」
鬼「禰豆子と"青い彼岸花の娘”の隠し場所に随分と自信があるようだな。しかし、お前と違い私には たっぷりと時間がある。」
お「君は…思い違いをしている。」
鬼「何だと??」
お館様の言葉に鬼舞辻無惨は眉をひそめた。
お「私は永遠が何か…知っている。
永遠とは人の想いだ。
人の想いこそが永遠であり、不滅なんだよ。」
鬼「下らぬ…。お前の話には辟易する。」
お「この千年間、鬼殺隊は無くならなかった。可哀想な子供達は大勢死んだが、決して無くならなかった。その事実は、今君が……“下らない”と言った人の想いが不滅であることを証明している。大切な人の命を理不尽に奪った者を許さないという想いは永遠だ。君は誰にも許されていない…。この千年間、一度も。そして君はね無惨、何度も何度も虎の尾を踏み、龍の逆鱗に触れている。本来ならば一生眠っていたはずの虎や龍を君は起こした。
彼らはずっと君を睨んでいるよ。
絶対に逃がすまいと。」
お館様はゆっくりと鬼舞辻無惨に告げる。