第26章 人の想い
一度、自分の屋敷に戻った不死川は夕餉をすませた後、爽籟と共に花屋敷へと向かっていた。
このコンビは業務連絡が主な会話なため、いつも通り互いに無言のまま向かっていた。
爽「返事ドウスルンダ??」
不「………ぁ??」
突然口を開いた爽籟に不死川は思わず間抜けな声が漏れる。
しかし、爽籟は不死川の返事を質問の意図が理解できていないのだと解釈してしまった。
爽「桜柱ヘノ返事ダ。」
不「…んで知ってんだよォ。」
ギロリ、と睨む不死川だったが、爽籟は慣れているのか特に気に留めていない様子で口を開く。
爽「サクラト上デ聞イテタ。」
不「着いてきてたとか聞いてねぇぞォ。」
爽「オ館様カラノ指示ダ。
竈門トノ様ナ問題ガ起キナイヨウニト。」
不「それも聞いてねェ。」
爽「言ッテナイカラナ。」
報告していなかったことを悪びれる様子は一切ない爽籟。
そうこうしているうちに花屋敷の門の前に辿り着いた。
爽「デ、ドウナンダ。」
不「しつけぇなァ…。」
再度の爽籟からの問いに不死川が大きなため息をついていると、屋敷の中から騒がしい声が聞こえてきた。