第26章 人の想い
『百合姉さん。椿姉さん。紅葉姉さん。…行ってくるね。きっと帰ってくるから。待ってて。』
鍵のかかった部屋の戸に額をつけ、小さく呟く。
サ「イイノ??」
そのまま日輪刀のある衣裳部屋へと向かう杏にサクラが心配そうに声をかける。
『えぇ。私と一緒に来るのは祈里さんと音羽さんには危険が大きすぎるわ。お2人のことはあの人に任せましょう。』
ちょっと無責任だけどね、と苦笑を零しながらサクラに話す。
羽織を纏い、日輪刀を腰にさす。
『さぁ、行きましょうか。
間に合わなくなったら大変だものね。』
サ「エェ。」
微笑みながらそう言った杏とサクラは屋敷を出た。
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