第26章 人の想い
サイドハーフアップで小さくお団子を作り、杏の花の簪をさす。
黒の詰襟を片手に居間へと足を進めた。
祈「杏さま、食事の支度できておりますよ。」
『ありがとうございます。
では、さっそくいただきましょうか。』
音「はい。」
3人で夕餉をとる。
『今日の警備にはお2人も同行して頂けますか??』
祈「勿論です。」
杏からのお願いにすぐに頷く祈里と音羽。
『ありがとうございます。では、夕餉をとったら湯浴みしてきてください。隊服で行きますから袴じゃなくて隊服着てください。それから向かいましょう。』
音「はい。」
それならば急がなくては、と食事を食べるのが速くなる祈里と音羽。
『ご馳走様でした。』
「「ご馳走様でした。」」
3人揃って手を合わせ、祈里と音羽はバタバタと食器を片付けお風呂へと向かう。
杏は2人がお風呂場に入るのを確認して書斎へと足を向ける。
書斎に入るとまっすぐに机へと向かい、紙と筆を取り出した。
さらさらと筆を動かす。
書き上げた紙をそのまま机の上に置き、戸を開けたままの状態で書斎を出る。