第25章 伝える想い
その意見に杏はふん、とそっぽを向く。
『貴方が期待させるような反応するからですよ(ボソッ』
不「なんだって??」
杏の小さな声が聞き取れなかったのか不死川は聞き返すが、杏は再びそっぽを向く。
『何でもないですよ。さ、帰りましょう。』
不「ハァ??なんなんだよ、ったくよォ。」
そのまま歩き出す杏に不死川は呆れたような声をあげながらも自然と杏の隣に並ぶ。
不「送ってく。」
『……ありがとうございます。』
そのまま歩き出し、最初の方は互いに無言だったが、自然と会話が増えていく。
『やっぱり炭治郎くんは面白い子ですよね。』
不「どこがだァ。調子の狂ったガキだぜ、本当に。」
先刻のことを思い出しながら杏はクスクス、と笑い、不死川はチッ、と舌打ちをする。
『ちなみにどっち派なんですか??』
不「何がだァ??」
『餡子ですよ。つぶあんですか??こしあんですか??』
炭治郎が聞いていたことで密かに気になっていた杏がそう尋ねると、不死川は上を向く。
不「こしあん…だったがァ、………今はオマエの餡子が好きだなァ。」