第25章 伝える想い
『待ってくださいってば!!不死川さん!!』
冨岡と炭治郎と別れた杏は先に行ってしまった不死川を走って追いかけていた。
竹林を出たところで漸くその姿を見つけて大きな声で名前を呼ぶ。
その声に反応した不死川が漸く足を止める。
『もう、置いていくなんて酷いじゃないですか。』
不死川が足を止めたことでなんとか追いつくことができた杏はジトー、とした目で不死川を見上げる。
不「テメェが揶揄うからだろォ。
わざわざ冨岡なんかと結託しやがってェ。」
『私と冨岡さんが結託なんてするわけないじゃないですか。不死川さんほどではないですけど、私だってあの人苦手なんですよ??』
杏を睨みつけながら言う不死川の言葉に杏は何のことだ、と抗議の瞳を向ける。
『ただ冨岡さんの天然で鈍感なところを利用させて頂いただけですよ。不死川さんを揶揄うために。』
不「結局揶揄うつもりだったんじゃねェかァ。」
『それはそうですけど、別に冨岡さんを使うつもりはなかったですよ??そこに関しては不死川さんが悪いんですからね??』
不「なんで俺のせいになんだよォ。」
杏の抗議に対して不死川は納得がいかない、と抗議する。