第25章 伝える想い
杏(2人とも痣は出なかった…。私もあれ以来出てないけど不死川さんもみたいね。)
折れて地面に落ちてしまった木刀を見つめながら杏がそう考えていると、木刀が使い物にならないと理解した不死川が持っていた柄の部分を捨て、ボキボキと指の骨を鳴らした。
不「よォし、じゃあ次は素手で殺し合うかァ。」
『…はぁ。』
不死川のその言葉に杏は頭を押さえながらため息をつき、炭治郎は慌てて竹林から飛び出した。
炭「待った待った待ったァ!!」
慌てて二人の間に入ると、炭治郎は冨岡を庇うように両手を広げて不死川の前に立つ。
炭「ちょっと待ってくださいよ!!
殺し合ったらいけませんよ!!」
しかし、炭治郎の言葉に不死川は炭治郎をジロッと睨み付けた。
不「うるせェんだよテメェはァ。
そもそも接触禁止だろうがァ。
先刻から盗み見しやがってこのカスがァ。」
すると、炭治郎がすかさず口を開いた。
炭「おはぎの取り合いですか??もしそうなら俺が腹一杯になるまで作りますから…。」
『ふっ…、』
炭治郎のまさかの発言に杏は思わず笑いが溢れる。
そんな炭治郎の言葉に不死川は更に苛々を募らせる。