第25章 伝える想い
『だって、竹林の中ってすっごく静かでしょう??
まわりに民家ないでしょうし。ぴったりじゃない??』
杏がクスクス、と笑いながら説明すると、サクラも頷く。
サ「確カニネ。水柱ハご近所付キ合イトカシナサソウダモノネ。」
『ふふっ。』
そんな話をしながら竹林へと足を踏み入れる。
しばらく進むと静かな竹林に殺気じみた空気が流れているのを感じとった。
『大変、もうはじまりそうみたいね。』
サ「ナラ急ギマショウカ。」
『お願い。』
バサッ、と羽を勢いよく羽ばたかせるサクラに走って着いていく。
サ「見エテキタワヨ!!」
“千年竹林”という文字が彫られた岩の横を通り過ぎると建物が見えてきた。
『あそこね。』
そこからは2人にバレないよう気配を消す。
『さて、と。表から訪ねてもきっと返事なんてないでしょうし、裏から行きましょうか。』
サ「コレダケ殺気立ッテタラ気ヅカナイデショウネ。」
杏とサクラは屋敷の裏に出られるようぐるりと回る。
『あそこがお庭かしら。
…あら??あれは…。』
庭が見えてきたとき、竹林の影にしゃがみ込んでいる人影が見えた。