第24章 譲れない想い
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その頃、別の場所では────────
月明かりの下を目玉に足が生えた奇妙なものが地面を這っていた。
その目の部分には大きく"肆"と刻まれている。
目玉は目をギョロギョロと動かしながら少し前を歩く鬼殺隊士の後をつけている。
目玉の見たものの全てはある場所へと伝えられていた。
そこは、どこかにある無限城の一室。
琵琶の掻き鳴らされる音と共に混じって、心音のようなものが響き渡る。
鳴「また1人、見つけました。」
無限城の管理をしている鳴女という女の鬼はそう言って琵琶をかき鳴らす。
その前には鬼舞辻無惨が雅な模様の椅子にゆったりと座りながら地図を広げていた。
鳴「これで六割程の鬼狩り共の居場所を把握。
しかしまだ太陽を克服した娘は見つかりません。
"青い彼岸花の娘”も見つかりません。」
鳴女はそう言って顔を上げた。
黒く長い髪に包まれていたその顔には"肆"と刻まれた大きな目玉が1つ。
炭治郎や甘露寺に倒された半天狗に代わり、新たな上弦の肆になったのだ。
鬼「鳴女、お前は私が思った以上に成長した。
素晴らしい。」
鳴「光栄で御座います。」
鬼舞辻無惨の言葉に鳴女は恭しく頭を下げる。
鬼「あとはそうだな…このあたり。」
鳴「承知いたしました。」
鬼舞辻無惨が地図を指さすと、鳴女は静かに返事をする。
鬼「禰豆子も産屋敷も青い彼岸花の娘も、もうすぐ見つかる。」
鬼舞辻無惨はそう言って愉快そうに口角を上げた。