第24章 譲れない想い
サ「ナァニ??」
隣で羽の裏を嘴で掻いていたサクラを呼ぶとすぐに顔を上げてくれる。
『5日以内に総力戦が始まる。』
サ「エェ。ワカッテルワ。」
話に参加していたサクラは優しく頷いてくれる。
『きっとサクラにも大変なことをたくさんお願いすると思う。』
サ「任セナサイ。柱ノ鴉ナンテ生半可ナ覚悟ジャヤレナイノヨ??」
『ふふっ、頼もしいわね。ありがとう。』
えへん、と威張るサクラに笑いかける。
『私は桜柱だからやらなくちゃいけないことはたくさんあるわ。鬼殺隊の悲願を果たすためにも全力で…。』
サ「エェ。ソレモワカッテルワ。」
杏の真剣な声にサクラは優しく返してくれる。
『それは他の柱たちも同じ。5日以内というのを知っているのは私と悲鳴嶼さんだけではあるけど、始まれば他の柱たちも自分の身なんて顧みずに戦うわ。』
サ「ソウネ。」
『私も死ぬ気はないけど、何があるか分からない…。だからね、思うの。後悔は残したくない。』
目の前に立つ大きな桜の木を見つめる。
『私が死んでも…不死川さんに何かあっても…きっと伝えなかったら後悔する。』
サ「杏…モシカシテ…。」
杏の言葉にサクラが杏をじっ、と見つめると、杏もサクラへと視線を向け、優しく微笑んだ。