第24章 譲れない想い
悲「6年前…。私は21だった。
おじさんじゃない…。」
────────
──────────────────
『じゃあ、おやかたさま…。
よろしく…お願い、します。
おやかたさま、ひめ、じまの…おじさん。』
──────────────────
────────
『………………………あ、それは…すみません、でした??』
悲鳴嶼からの思わぬ返答にぽかん、としてしまうが、思わず謝る。
悲「いや…気にするな。」
『いや…、えっと…私、いつ頃から悲鳴嶼さん、て呼んでました??』
悲「柱になる少し前だったか…。」
『……ほんと、すみませんでした…。』
杏(柱になったのは13歳の頃だから…。
結構長い間呼んでた…。)
幼い頃の羞恥に顔が赤くなる。
悲「音白、着いたぞ。」
『え、あっ、送っていただいてすみません。
ありがとうございます。』
気がついたら花屋敷の前にいたことに驚きながらもお礼を言う。
悲鳴嶼はそんな杏を見て、ゆっくりと口を開く。
悲「いや…、お礼を言うのは私の方だ。」
『なんのことですか??』
自分が謝ることやお礼を言うことはあっても悲鳴嶼にはないはずだ、と杏は首を傾げる。