第24章 譲れない想い
杏は隊士たちの様子を思い出し、ふふっ、と微笑む。
しかし、すぐに真剣な顔になる。
『しかし…、5日以内…ですか。』
悲「あぁ、思っていたよりもはやかったな。」
『そうですね。確かに隊士たちは成長しています。
それでも…正直、上弦ノ鬼と渡り合える隊士は数えるほどしかいません。』
俯きながら話す杏。
悲「仕方がないことだ。
今ある戦力でやるしかない。
今は作戦実行のために時間を使いたい。」
『そうですね。巻き込む人たちにはやく話してしまわないといけませんね…。』
うーん、と考えながら歩いていく。
『あ、』
悲「どうした??」
突然、何かを思い出したかのように立ち止まる杏に悲鳴嶼が首をかしげる。
『さっき6年前のこと思い出してたんですけど、あのとき悲鳴嶼さん、私が声かけたとき一瞬止まってましたよね。あと名前呼んだときも泣いてましたけど、どうしてですか??』
あのときも思ってたんですけど、聞けてなくて…と言うと、悲鳴嶼は南無…と手を合わせる。
『悲鳴嶼さん??』
もう一度尋ねると渋々と言った感じで悲鳴嶼は口を開いた。