第24章 譲れない想い
『おじ、さん…だれ…??』
その大きな人影に恐る恐る声をかける。
その人影は少しの間をあけて口を開いた。
悲「…私は悲鳴嶼行冥。目が覚めて何よりだ。
少し待っていてくれるか??」
──コクン
悲鳴嶼行冥と名乗る大きな人の言葉に頷く。
大きな人は頷くのを確認すると部屋を出て行く。
(大きな人だったな。
あんな大きな人見たことない…。
…??あれ…??見たこと…)
1人で首を傾げているとさっきとは違う声が響いた。
お「おはよう。目が覚めて良かったよ。」
さっきの大きな人の隣に立つ男の人に首を傾げる。
『だれ、ですか…??』
お「私は産屋敷耀哉だよ。
好きに呼んでおくれ。」
そう言われ、大きな人に視線を向ける。
悲「…私はお館様、と呼んでいる。」
『じゃあ、おやかたさま…。
よろしく…お願い、します。
おやかたさま、ひめ、じまの…おじさん。』
お「よろしくね。」
悲「…南無。」
それぞれの名前を呼ぶとおやかたさまは微笑んでくれたが、ひめじまのおじさんは泣いていた。
なんでだろう。
お「杏、身体の方は大丈夫かい??」