第24章 譲れない想い
お館様の言葉を小さく繰り返す杏。
お「その…ときは…あまね…と、ひなき…と、にちか…も…私の…側にいる…予定だよ…。」
悲「それは…皆さまご承知なのですか??」
流石の悲鳴嶼も動揺したのか、自分たちの後ろに座るひなき様とにちか様にチラリ、と視線を向ける。
あ「はい。私もひなきもにちかも、かなたもくいなも輝利哉も承知しております。」
『あまね様…。』
いつの間に近くに来ていたのか、突然現れたあまね様が静かな声で悲鳴嶼の問いに答える。
その後ろには輝利哉様、かなた様、くいな様も控えており、ひなき様、にちか様と5人皆、母上譲りの瞳に真剣な色を宿していた。
あ「屋敷を爆破したその瞬間から輝利哉を産屋敷家98代目当主とし、かなたとくいなが側で支えます。」
悲「一族皆さま覚悟を決められているのですね…。」
あまね様の真っ直ぐな視線と言葉に悲鳴嶼はそのように零す。
最早、止められないだろう。
誰よりも鬼舞辻無惨への憎悪が深い産屋敷一族の覚悟と意思を汲むべきだろう。
そう考えた悲鳴嶼が涙を流したとき、隣から小さな声が聞こえた。
『………です。』
悲「音白??」