第24章 譲れない想い
動揺している杏の隣で悲鳴嶼はお館様に静かに問いかける。
悲「…何故、そのように思われるのですか?』
そんな悲鳴嶼へお館様は静かに微笑む。
お「ふふ…勘だよ、ただの…。
理屈はない…。」
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この勘と言うものが産屋敷一族には凄まじかった。
聴くものを心地よくさせる"特殊な声”同様に“先見の明”と言われる産屋敷一族に伝わる特殊な力。
未来を見通す力。
これにより彼らは財を成し、幾度もの危機を回避してきた。
お「他の…子供達は…私自身を…囮に…使う事を…承知しないだろう…。君にしか…頼めない……行冥…。」
悲「………。」
刹那の沈黙の後、悲鳴嶼は涙を流しながら口を開いた。
悲「御意。お館様の頼みとあらば。」
そんな悲鳴嶼の言葉にお館様は再び微笑む。
お「ありがとう…。どうか…もうこれ以上…私の大切な…子供達が…死なないことを…願って……。」
『…どのように、する…おつもりですか??』
動揺により、これまで口が開けていなかった杏が小さな声で問いかける。
お「…この…屋敷、を…爆破しようと…思ってる…。」
『爆破、ですか……。』