第24章 譲れない想い
そんな杏の様子を知ってか知らずか口を開くお館様。
お「今日…は…お願いしたい…ことが…あってね…。聞いて…くれるかい…??」
『勿論で、ございます…。』
反射的だった。
これまでお館様に頼まれたことなど断ったことはない杏。
それどころか内容を聞く前に了承してしまうのが杏だ。
そのため、今のように動揺しているなかでも了承してしまう。
お「ふふっ…。ありが、とう…杏…。しかし…、正直…杏を呼ぶか…どうかは…迷って、いたんだ…。」
『…それは、なぜ…ですか??』
お「君には…受け入れて、もらえない…だろうから…ね…。」
『………。』
杏がお館様のご意向に従わないことはまずない。
そんなことはお館様もご存知のはずだ。
そのはずのお館様の言葉に杏も悲鳴嶼も口を閉ざし、真剣な表情になる。
2人のその様子を感じ取ったのか、お館様は静かに口を開いた。
お「5日以内に…無惨が…来る…。
私を…囮にして…無惨の頸を…取ってくれ…。」
『…………………………ぇ??』
杏は目を見開き、小さく驚きの声を漏らす。
杏(お館様を…囮に…??それって……。)