第24章 譲れない想い
『誰にも…。わかったわ。』
頷きながらさらに考えを巡らせる。
杏(誰にも話せないとなると…祈里さんと音羽さん。あと不死川さんへの言い訳が必要ね。)
ふむ、と顎に手を当てなおす。
杏(祈里さんと音羽さんにはこれまで通り夜の警備に行くと言えばいいけれど…。)
『問題は不死川さんね。』
うーん、の杏が唸っていると腕にとまっていたサクラが心配そうに杏の顔を覗きこむ。
サ「風柱ヘノ言イ訳考エテルノ??」
『えぇ。なんと言って夜の警備を断ってお館様のもとへ行くか…。』
サ「体調不良トカデ良インジャナイ??」
『体調不良か…。騙せるかしら??』
サ「蟲柱トカナラ無理デショウケド風柱ナライケルンジャナイノ??」
『そうね…しのぶさんだったらまず無理ね。』
ふふふっ、と笑う。
『体調不良ということにしましょうか。
サクラ、伝えてきてくれる??』
サ「ワカッタワ!!」
『余計な心配はかけないように軽いものだとお伝えしてね。』
サ「祈里ト音羽ニ止メラレタッテコトニシマショウカ。」
『それが1番良いかしらね。』