第24章 譲れない想い
月明かりに照らされた美しい日本庭園。
悲「久しいな、音白。」
『お久しぶりです、悲鳴嶼さん。』
柱合会議以来の対面となる杏と岩柱 悲鳴嶼行冥は産屋敷邸にて顔を合わせていた。
それはその日の朝のこと…
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サ「カァー!!カァー!!」
この日も杏は自身の屋敷で隊士たちの柱稽古を行っていた。
道場で指導を行っていたとき、サクラがけたたましく鳴きながら道場の中へと入ってきた。
『サクラ??どうしたのよ、そんなに慌てて…。』
その場を音羽に任せて杏はサクラと共に外へ出る。
サ「オ、オ館様ヨリ召集命令!!桜柱 音白 杏!!本日ノ夜、産屋敷邸ヘ赴ケ!!」
『…!!…わかったわ。
ありがとう、サクラ。』
サクラからの伝達に目を見開く杏だが、すぐに了承する。
杏(お館様からの緊急召集…。どうされたのかしら。今すぐではないから危機的状況というわけではないのでしょうけど…。)
顎に手を当て考え込んでいるとサクラが追加の伝達を伝える。
サ「ナオ!!コノ事ハ誰ニモ伝エテハナラナイ!!来ルトキハ鎹鴉ト共二来イ!!」