第23章 オトメゴコロ。
言いながらとても幸せそうな笑顔を浮かべる甘露寺。
『本当に伊黒さんのことお好きなんですね。』
し「えぇ。とても幸せそうです。」
甘「そ、そうかしら…??」
頬を押さえる甘露寺に優しく微笑む杏としのぶ。
甘「でも、伊黒さん…私に想われていると知って迷惑だったりしないかしら…。」
『そんなことないですよ。』
し「えぇ。伊黒さんはいつだって甘露寺さんのこと優しい目で見ていらっしゃいますよ。」
不安そうな表情を浮かべる甘露寺に杏としのぶは笑顔で優しく言葉をかける。
『伊黒さんは蜜璃さんに恋慕の感情を向けられて迷惑なんて感じませんよ、きっと。』
甘「そうかしら…??」
し「それに、伊黒さんがそんなに優しいのは甘露寺さんに対してだけですよ。」
甘「えっ、そうなの??」
し「えぇ、それはもう。」
コロコロと変わる甘露寺の表情にふふっ、と笑い声を零すしのぶ。
甘「じゃあ、…頑張ってみようかしら。」
ぼそり、と小さく呟いた甘露寺の言葉に杏は甘露寺の手を握る。
『いいと思いますよ。それに、"ぼやぼやしてたら誰かに盗られちゃう”ですからね。』
ニコッ、と笑顔を向ける。