第23章 オトメゴコロ。
バッ、と顔をあげる杏。
『玄弥くんの件ですね!!』
し「はい。鬼を人間に戻す薬をもう1つということでしたが、なんとかなりそうです。最近はあの方とも話せるようになりましたし。(ボソッ」
『あの方…あぁ、共同研究をされてる方ですね。
最近は、ということは折り合いが悪かったのですか??珍しいですね。』
最後の一言は小さな声で呟いたはずなのに拾っていた杏から問いかけられ、しのぶは困ったように微笑む。
し「感覚が鋭すぎるのにも困りものですね。
まぁ杏さんなら話しても大丈夫でしょうか。
ただし他言無用ですよ??」
『わかりました。』
杏が頷くとしのぶは話し始めた。
『共同研究の相手の方が鬼だった…と??それも鬼舞辻無惨を葬り去りたいと思う鬼が2匹も…。
一体今までどこに隠れていたのでしょうか。』
しのぶの話を聞き、杏は目を見開く。
し「共同研究はお館様のご指示です。お館様は珠世さんたちのことを随分前から知っていらっしゃったようですね。」
『それでも放っておいたということはこちらに害はないということですね。しかし、しのぶさんには酷でしたよね…。』