第23章 オトメゴコロ。
驚く杏にしのぶはふふっ、と微笑む。
し「アオイに蝶屋敷のことは大体任せてますから、おつかいや買い物はあの子たちに任せてるんです。そこで町の噂を聞いて流行りのお菓子を買っているようです。」
『ほんとうに蝶屋敷の子たちは皆しっかりしてますね。』
し「えぇ。いつ、私がいなくなっても大丈夫です。」
にっこり、と笑顔でそう話すしのぶに杏から笑顔が消える。
『…気持ちは変わりないんですね。』
し「はい。心配してくださったのにごめんなさい。」
しのぶは眉を下げながら小さく微笑む。
『いえ…それは気になさらないでください。
カナヲちゃんにはもう話されたんですか??』
し「はい。カナヲが一度帰って来たときに話しました。ショックを受けている様子ではありましたがあの子ならきっとやってくれます。」
『そうですか…。』
そう言って俯いてしまう杏にしのぶは笑顔で話しかける。
し「そうだ。この間の文の件ですが………」
『文??』
しのぶの言葉に杏が首を傾げていると、しのぶはクスクスと笑いながら話を続ける。
し「爽籟が届けに来てくれた文のことですよ。爽籟が文を持ってくるなんてそうそうないですから驚きましたが。」
『!!』