第23章 オトメゴコロ。
「では…………」
隊士が右手をあげると、杏と甘露寺の間にピリッと緊張が走る。
2人ともいつもの笑顔ではなく、真剣な顔だ。
「はじめっ!!」
隊士が腕を振り下ろすと同時に、甘露寺が先制攻撃をしかける。
そこから激しい打ち合いが始まった。
互いに女体ならではの身体の柔らかさを活かした動き。
甘「あっ!!」
数分後、隊士たちが見守るなか甘露寺の木刀が折れ、決着がついた。
甘「負けちゃったか〜。」
うーっ、と悔しそうにする甘露寺に杏は微笑みながら声をかける。
『木刀での勝負では蜜璃さんは全力を出せませんからね。仕方ないですよ。』
甘「そうかしら??どうにかして日輪刀を再現できるものないかしらね。」
うーん、と考え込む甘露寺。
『あの形状のものはなかなか難しいですよね。』
甘露寺の薄く柔らかな日輪刀を思い浮かべる。
2人でうーん、と悩み込んでいると、鈴のなるようなきれいな声が聞こえてきた。
し「ごめんくださーい。」
その声に2人とも顔を上げて、互いに顔を見合わせる。
『今の…』
甘「しのぶちゃん??」
『なんでここに……。』