第23章 オトメゴコロ。
『あとは蜜璃さんに判断を仰ぎます。
ここの責任者は彼女ですからね。』
俯く隊士たちに淡々と話す杏。
『彼女が優しいからといってそれに甘えすぎないように。いいですね??』
「「「はい……。」」」
杏がそう諭すとしゅん、とする隊士たち。
『まったく………ここにいるのが私じゃなかったらもっと大変でしたよ??』
ふぅ、と息を吐いていつもの雰囲気に戻る杏。
隊士たちが明らかにほっ、としているのが見て取れる。
雰囲気が変わったのを感じ取ったのか甘露寺が杏に声をかける。
甘「杏ちゃん〜お話し終わった??」
『えぇ。では始めましょうか。』
杏は振り返りながらいつもどおり微笑み、甘露寺の方へと向かう。
甘「よろしくね!!」
『はい。』
返事をしながら杏は羽織を脱ぐ。
甘「ねぇ、そこの君!!
合図お願いしてもいいかしら??」
「あっ、はい!!」
甘露寺に指名された隊士が慌てて中央へと走っていく。
『ありがとうございます。』
「いえっ、こちらこそ光栄です!!」
杏にお礼を言われ、ぶんぶんと首を横に振る隊士。
ちなみに先程のお説教の中にはいなかった隊士だ。