第23章 オトメゴコロ。
「「「ビクッ」」」
振り返った杏にビクッ、と肩を震わせる隊士たち。
振り返った杏の顔からは甘露寺に向けていたような笑顔は消え去り、冷たい瞳でこちらを見下ろしていた。
『お心あたり、ございますよね??』
そんな表情から一転して杏はにっこり、と効果音が付きそうなほどの笑顔を浮かべる。
しかし、目は一切笑っておらず、なお怖い。
そんな杏にカタカタ、と震えて隊士たちら誰一人として声を発さない。
『この程度の殺気で動けなくなるだなんて…(ボソッ』
震える隊士たちの様子にため息をつきながら小さく呟く。
『仕方ないからお教えして差し上げますね??』
今まではしゃがみこんでいる隊士たちを見下ろしていたが、杏は自らも屈んで目線を合わせる。
『蜜璃さんを見ての先程の発言…。
まさか聞かれてないとでもお思いでしたか??
柱の中でも感覚が優れる私が。
聞き逃すとでもお思いでしたか??
だとしたら、舐められたものですね。』
杏から放たれる殺気に命の危機を察した隊士は弁明を図ろうと慌てて口を開く。
「そっ、そんなことはっ…!!」