第23章 オトメゴコロ。
端っこの方に固まっている隊士たちを横目に見ながらそんなことを考える。
甘「おまたせー!!」
『そんなに待ってないですよ、蜜璃さん。』
木刀を2本持った甘露寺が杏の元へと駆けてくる。
すると、隊士たちの方から小さな声が聞こえてきた。
「揺れてる…。(ボソッ」
『(ピクリ、…………。』
その声を杏は拾い、ピクリと甘露寺から木刀を受け取っていた手を止め、笑顔が消える。
しかし、甘露寺には聞こえなかったようで固まっている杏の様子を見て不思議そうに首を傾げる。
甘「杏ちゃん??どうしたの??」
『………いえ、なんでもないですよ。
木刀ありがとうございます。
すみません、少し彼らにお話があるので待っていただいてもよろしいですか??』
首を傾げる甘露寺に杏はニコッ、と微笑みなおす。
そんな杏に甘露寺は首を傾げつつも、コクン、と頷く。
甘「?わかったわ。
じゃあ、あっちで待ってるわね。」
『すみません。』
道場の中心の方へと向かった甘露寺を杏は笑顔で見送る。
『さて、と。』
そう言って、クルッと身体を回して隊士たちの方を向く。