第22章 一触即発
不「血鬼術か失血死じゃねぇか??
腕や足がなくなることもあるだろうしなァ。」
上弦ノ鬼との闘いで引退した煉獄や宇髄のことを思い出したのか、僅かに眉をひそめる不死川。
不「まだ上弦ノ鬼は壱から参まで残ってっからなァ。五体満足で帰れはしねぇだろうなァ。」
『そうですよね…。ありがとうございます。』
ふむ、と頷き、ニコッ、と微笑む杏。
そんなやりとりをしているうちに道場へと辿り着いた。
不「爽籟、これ胡蝶んとこ持ってけェ。」
爽「ワカッタァ!!」
窓辺で立っていた爽籟に文をもたせる不死川。
『爽籟、お願いしますね。』
杏も頭を優しく撫でる。
爽籟は元気に羽ばたいていった。
不「さて、じゃあなァ。」
『はい。また夜の警備で。』
屋敷を出ていく不死川に軽く手をふる。
『…サクラ。』
完全に姿が見えなくなったところで、杏はサクラを呼びつける。
サ「ナァニ??」
『少しお願いがあるの。着いてきてくれる??』
サ「ワカッタワ。」
サクラが頷くのを確認して杏は再び屋敷へと戻り、冬の間に入る。
『文を書くから少し待っててちょうだい。』