第22章 一触即発
不「あァ、頼む。」
『わかりました。
ここで文を書いてしまいますね。』
そう言って杏は押し入れから小さな台と紙と筆を取り出す。
サラサラ、と文を書く杏を不死川はじっ、と見つめていた。
そんなことには気づいていない杏は書き終えた文を折りたたむ。
『さて、と。サクラ…は道場ですね。』
どうしましょう、と頬に手を当てる杏。
不「道場行くかァ。どら焼きも食ったし、俺はそろそろお暇するぜェ。」
『もう行かれるんですか??』
最後のひとくちでどら焼きを食べ、立ち上がる不死川に杏も立ち上がる。
不「あァ。稽古はなくなっちまったが、仕事はあるからなァ。そうだ、文は爽籟に運ばせるかァ。」
『よろしいんですか??』
不「俺の用事みたいなもんだしなァ。
爽籟も道場で待たせてる。」
『なら行きましょうか。』
2人並んで冬の間を出て、道場へと向かう。
その道中、杏はふと不死川に問いかける。
『そうだ、不死川さん。今度の闘い…私たちの主な死因って何になると思います??』